APEC貿易担当大臣会合に日本代表として出席

 

 6月1日(水)から3日(金)まで、APEC(アジア太平洋経済協力)貿易担 当大臣会合に出席するため、韓国の済州島に出張してまいりました。
 APEC貿易担当大臣会合には、APEC21か国・地域の経済大臣等が参加 し、我が国からは、私と逢沢外務副大臣が参加しました。各国からは、金鉉宗(キ ム・ヒョンジョン)韓国通商交渉本部長(議長)、ポートマンUSTR代表(米 国)、ヴェイル貿易大臣(豪州)、薄煕来商務部長(中国)、タノン商務大臣(タ イ)等が出席しました。

 

韓国APEC

 

 まず、2日(木)の朝、GATT(関税及び貿易に関する一般協定)締約国間に おける貿易に関する自由化交渉(「WTO・ドーハ開発アジェンダ」と呼ばれてい ます。)の一環として、非農産品分野における関税引下げ方式について、アジア主 要国間の意見調整を図るため、中川経済産業大臣主催により開催された非公式の朝 食会に出席いたしました。この会議には、タイのタノン商務大臣やフィリピンのサ ントス貿易産業大臣等の出席も得て、有益な意見交換を行うことができました。
 中川大臣は、国会審議に出席するため、この朝食会の途中で帰国されたため、こ の後開幕したAPEC貿易担当大臣会合には、すべて私が出席いたしました。

 

 APEC貿易担当大臣会合は、2日(木)に非公式会合が、3日(金)に本会合 が開催されました。両日を通して様々はテーマについて議論されましたが、主な点 を挙げると以下のとおりです。

 

 まず、WTOで行われている貿易自由化交渉についてです。私から、自動車や鉄 などの鉱工業品については、高関税国と低関税国の関税格差を縮小するような「ス イス方式」により、野心的な関税削減をすべきというメッセージを出すべきであ り、また、非譲許品目については原則としてすべて譲許(注)すべきとの発言を行 いました。議論の結果、鉱工業品については「スイス方式」を適用すること、「全 品目につき譲許し、削減方式を適用する」という原則を閣僚宣言に記述することと なり、WTO(世界貿易機関)における今後の交渉に大きな弾みをつけることがで きました。

 

(注)譲許とは、関税をある率(例えば20%)以上に上げないという約束のこ とです。関税譲許を行うと、企業は安心して貿易を行えるようになるので、貿易拡 大に貢献する。と、考えられています。

 

 また、知的財産権保護に関して、私から、知的財産権の保護という国際的に関心 が高まっている問題をAPECが率先して取り上げ、改善の方策を示すことが必要 である旨主張し、日米韓で共同提案した「APEC模倣品・海賊版対策イニシア ティブ」が各国の賛同を得て合意されました。本イニシアティブは、模倣品・海賊 版の国際取引の削減やオンライン海賊行為の削減等を図るものですが、今後、11 月のAPEC閣僚・首脳会合に向けて、これを具体化するための取組を進めること になります。

 

 さらに、APECのボゴール目標の中間評価(注)に関して、私から、企業活動 の円滑化に資する多様な分野に今後ともAPECが取り組んでいく必要があり、具 体的には、投資、知的財産権保護、汚職対策、経済法制度整備等の分野で取組を強 化していくべきことを指摘いたしました。議論の結果、我が国を含む関心国が中心 となって、11月の閣僚・首脳会合までにAPECが今後とるべき方策をまとめる こととなりました。

 

(注)1994年のボゴール首脳会合において「APEC先進国は2010 年、途上国は2020年までに自由で開かれた貿易投資を達成する」ことに合意し ました(ボゴール目標)。今年はボゴール目標の達成・進捗状況の中間的な評価を 行うこととなっています。

 

 このほか、いくつかの二国間会談を行いました。 まず、ベトナムのトゥ商業副大臣との会談においては、ベトナムとのWTO加盟 二国間交渉において、経済産業省所管の鉱工業品の関税分野について、実質的な合 意を確認しました。併せて、私からは、今回の合意が推進力となって、ベトナムの 年内WTO加盟が実現することを期待している旨を述べました。

 

 また、チリのウォーケル外務貿易大臣との会談も行い、現在両国間で行われてい る日-チリFTAの可能性を検討する共同研究の進捗等について意見交換を行いま した。

 

韓国APEC

 

 済州島は、風光明媚な所で、朝の散歩も気持ちのよいものでした。また、連日韓 国料理を堪能しました。
 今回の会議の成果が11月のAPEC閣僚・首脳会合や12月のWTO香港閣僚 会合の成功につながることを切に望んでいます。

 

2005/6/3産経新聞朝刊10面

6月3日付け産経新聞朝刊

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