荻原健司参議院議員と教育対談 ~其の1~
おこのぎ八郎(以下おこのぎ)
荻原さんは、スキーの選手としてオリンピックで2度も金メダリストに輝いたんですよね。私もテレビの前で応援していたのを覚えてますし、日の丸を片手にゴールする瞬間なんかがすごく印象的だったんですが、最初からスキーヤーを目指されてたんですか?
荻原健司議員(以下荻原議員)
いえ。実は体操の具志堅幸司さんなんかに憧れてましてね、小学校の1年生から5年生まで器械体操を結構、一生懸命やってたんですよ。そして、いつか自分も体操でオリンピックに出れるような選手になりたいなんて思ってましたけど、まだまだ小学生でしたからね。途中で嫌になっちゃったんですよ。やっぱり、練習が厳しいから。
ですから、僕は今でも子供たちにスキーを教えたりするんですが、スパルタというよりも、やっぱり「とにかくスキーは楽しいものだ」ということをどれだけ伝えることができるかということを大切にしているんですよ。これが、一番の大前提です。これ面白いな、不思議だな、これどうしたらいいんだろ、子供は好奇心が旺盛ですから、それを喚起してあげる教育っていうのが理想なんですが、やっぱり、これが今の教育の現場で足りてないのかな、と。

おこのぎ
そうなんですよね。それで、スキーを始められたきっかけは?
荻原議員
出身が群馬県草津の雪国ですからね。子供の頃の冬の遊びといえばスキーしかありませんでした。あと、父がスキーの選手だったんです。上手だったし、早かったし。いつかは父のような選手になりたいなという気持ちが、やっぱり心のどこかにありましたね。
おこのぎ
憧れみたいな。自分もこうなりたい、と。それで、練習しているとやっぱり厳しいとか辛いとかあると思うんですけど、スキーの場合は体操の時みたいに「やめたい」という気持ちになったことはないんですか?
荻原議員
スキーではありませんでした。スキーは僕にとって『一番大好きな遊び』だったからです。これがベースにありましたから長くやれましたし、充実した競技人生でした。こういう根っこの部分を教えてくれたのは、やっぱり両親でしたし、ある意味これが「荻原家の教育方針」だったのかなという気がするんですね。
おこのぎ
なるほど。私が野球に出会ったのは小学校の1年生の時です。5歳の時に股関節の病気でペルテスというのにかかったんですよ。それで、「ゆうかり学園」という子供医療センターで1年半、入院することになりました。そこで、身体障害児の友達と7~8人の共同部屋の生活の体験をしたんですけど、祖母が心配しましてね、面会の時にちょっと流行りのおもちゃなんかを持ってくるわけですよ。私はすごくうれしかったんですが、それが他の子たちにとってはうらやましく見えたんでしょうね。それがいじめに発展して、ずいぶん嫌な思いをしました。それで、2ヶ月ほど口きいてくれなくなったんです、無視されて。きつかったですよ。でもそんな中で、いじめに敏感に気付いてくれた先生がいて、間に入ってくれたりしたんです。そしてその先生がある時にね、「野球をやってみるか」って。私は車椅子だったんですが、グラブとボールを貸してくれて。それが、野球との出会いなんです。それでこうして大学4年までやれたってのが、すごく良かったですよ。
荻原さんは子供たちにスキーを教えられる中で、今の子供たちってどうお感じなんですか?
荻原議員
全体的に体力が落ちていますね。あと「やんちゃ」って言いますか、暗くなるまで泥だらけになって遊んでいるって子たちが何か少なくなっているような気がしますね。その一方で大人が「外なんか出ちゃ危ない、家にいなさい」なんて言っているのかもしれないですし。昔は家にいたら逆に叱られましたけどね。「子供が何で家の中で遊んでいるんだ」なんて。」
この間、実家の草津温泉の小学生にスキーを教えたんですけれども、僕の小学生の時の方が、周りの友人なんかも含めてやっぱりもうちょっと上手かったような気がするんです。以前は冬の体育の課外授業で「スキー教室」なんかが結構あったんですが、これを今、取り止める学校が増えてきているんです。

おこのぎ
それは、どうしてですか?
荻原議員
子供たちを大勢スキー場に連れてって、もし何かあったらもう大変だから、先生たちが「今年はやめましょう」とか。
おこのぎ
なるほど。社会の目が厳しくなる。これは、ある意味ではいいことかもしれないけど、過度に「責任を負わされる」と思わせてしまう。これは、良くないですよね。
荻原議員
例えば、学校の行事でスキーに行って、子供がケガをした、と。昔なら多分、親は何も言わなかったでしょうけど、今は逆に「何でウチの子がケガしたんだ。ちゃんと見てなかったんじゃないか」とかね。そういう親御さんが増えているのかな、と。僕は5人姉弟で、一番上の姉が教員をやっているんですけど、いろいろこのような話を聞かされますしね。
勉強も当然、大切だとは思いますけど、やっぱり基礎体力がなかったら、他につながっていかないと思うんですよね。ですから今、自民党で「子供の体力向上の実現を目指す議員連盟」が立ち上がって、僕もその中に入っていろいろと議論をさせていただいているところなんです。













