私の教育論
現在、私は経済産業副大臣として商工行政を中心に活動しておりますが、 様々な活動の中で「教育」はすべての源だなということを常々感じております。
ですからこそ「教育問題」をライフワークとしてこれまで取り組んできました。
今回は、その「教育」について今、私が考えていることを述べてみたいと思います。
教育は「国家百年の計」と言われる通り、 一朝一夕では解決できない難しい問題です。
どのような人間を育て、どのような国家を目指すのかを考え、デザインしていかなくてはなりません。
そんな中で、子どもはまさに「国の宝」であり、将来この国を背負って立つ貴重な人材なのです。
だからこそ、この国の教育をどうするかについて、私は国会議員としてはもちろん、 一人の大人としてしっかりとした責任を持たなくてはならないと真剣に考えております。
しかし、日本の現状はというと、悲しいことにとても胸を張れるものとは言えません。
犯罪が低年齢化し、凶悪化する中、私たちが生まれた時代では想像のできない事件が、毎日のニュースを飾っています。
その1つとして、情報が氾濫するあまり、青少年の性行動が乱れ、性感染症、 とくにAIDSなどは感染者の約70%が10代といわれています。
このような現象はとかく若者自身の問題だと捉えがちですが、実は子どもは大人社会を映す鏡なのであり、 全ての大人がその責任を自覚するべきであると思います。
大人の責任というものがものすごく軽くなってしまったこと、これは戦後、私たちの生活が豊かになった反面で、 何か過去に忘れてきてしまったものの1つであると、私は思います。
昔は「かみなりおやじ」と呼ばれるような人たちがどこかにいました。
このような人たちが、悪ガキたちの悪さを見つけると、「コラッ!」と怒鳴り散らしたものです。
かく言う私も、怒鳴られた思い出が数多くあります。
悪さをする子どもは昔からいましたが、それを矯正する気持ちが街の中に共存していたように思えます。
そのような環境の中で自然と、挨拶をすることを教わり、近所付き合いというものを肌で覚えてきたのだと思います。
地域が一体となって、子どもたちのしつけをしようという風土が、かつてのこの国にはあったはずです。
しかし、今も昔も「家庭の教育」が全ての基本だということは言うまでもありません。
私から見ると、今の親はそれを学校に押しつけすぎているように思えてなりません。
そうである以上、義務教育のあり方を考える国であり政府が、しっかりとした舵取りをしていかなくてはなりません。
2004年末、小泉総理の「三位一体の改革」の中で、 「義務教育費の国庫負担」をどうするかが大きな議論となりました。
その結果、平成17年度の義務教育費の国の負担分を一部減らし、 減らした分を地方に税源として委譲することになりました。
2005年秋までに、新しい義務教育のあり方について、有識者による「中央教育審議会」という機関が、 これからの方向性をまとめます。
しかし、義務教育はまさに日本の将来を担う子どもたちのための重要な問題です。
最終的には、国が責任を持ち、そのためには私たち政治家がどのようなビジョンを描くかを考えなければならないと 思っております。
ですから、単に金額合わせのような議論をするよりも、教育の現場を改めて見つめ直し、 優れた教育者や優れた教育を行っている学校には重点的に予算を配分してもいいのではないか、 このような持論を私は一貫して訴えてまいりました。
私は文部政務次官の時に、いろんな学校に視察に行きました。
そのうちの1校で、そこは荒れていると言われている学校でしたが、 そこで子どもたちの目線に立って生徒と接しておられる1人の若い先生の授業風景を目にしました。
このクラスは決して整然とした規律正しい雰囲気ではなく、先生も決して威厳のあるような方ではありません。
だけども、教室の中が1つになって、授業が進められていました。
これは私の見た感じではありますが、この先生に人間として、そして、授業の進め方に、1つの魅力があったのだと思います。
こういうところに、学校や教育委員会はきちんと目を向けているでしょうか。
いろんな個性のある先生たちもおられる中で、評価するシステムというものを作らなければならないと思いました。
そして今、教員の実績をしっかりと評価し、 それに基づく形で教員免許の更新制の導入を検討しているところであります。
私が文部政務次官時代に、もう1つ決意したことがあります。
それは、「学校教育で奉仕活動を義務化すること」です。
授業の中で子どもたちが地域の様々な奉仕活動に参加し、そこでのいろんな体験を通じて、 人との接し方や生きていることのありがたみなどを学び取る、これこそが真の意味での教育であると、私は思います。
また、生徒たちだけではなく、先生にも教員免許取得前に社会の実体験を積んでもらいたいと考えております。
今の教育実習は4週間ですが、そんな期間ではなく、2~3年間、企業やそれこそ自衛隊などにも入ってもらって、 実社会の中で直に、教えること、教わることの難しさや重要性を体得してもらいたいと思っております。
そういう場を、私が国会議員である間にきちんとした予算を組んで提供したい、これが今の私の大きな目標となっています。













